櫛名田比売(八俣大蛇退治神話)
(くしなだひめ/やまたのおろちたいじしんわ)

 高天原を追われた須佐之男命は、出雲の国、肥の河の川上、鳥髪と言うところに着きました。
 川をさかのぼると、年老いた男女と美しい櫛名田比売が泣いていました。
 わけを聞くと、毎年、八俣大蛇がやってきて、これまで七人の姫がさらわれました。今度は、櫛名田比売がさらわれるさだめだというのです。
 かわいそうに思った須佐之男命は「姫を妻にくれるならば、八俣大蛇を退治する」と約束しました。
八つの頭、八つの尾のある恐ろしい大蛇と聞き、八つのかめに酒を入れ、やってきた大蛇に酒を飲ませ、酔いつぶれた大蛇を退治しました。
 このとき、大蛇の尾からすばらしい剣が出てきたので、須佐之男命は天照大御神にさしあげました。
須佐之男命は、櫛名田比売と出雲の国の須賀にきたとき、「気分がすがすがしい」と言って、ここに新居の宮をつくり、櫛名田比売と住みました。
 宮を造ったとき盛んに雲が立ち昇ったので歌をよみました。
 「八雲立つ 出雲八重垣妻籠みに八重垣作るその八重垣を」
 和歌のはじまりといわれています。

肥の河…島根県斐伊川
鳥髪…島根県船通山
…草なぎの剣
須賀…島根県雲南市大東



読み仮名
高天原…たかまがはら
鳥髪…とりかみ
須佐之男命…すさのおのみこと
肥の河…ひのかわ
櫛名田比売…くしなだひめ
八俣大蛇…やまたのおろち
須賀…すが
勾玉…まがたま
八雲…やくも
八重垣妻籠みに…やえがきつまごみに



須賀神社(大東町須賀)
2人の新居であり和歌の発祥地。
【住所】雲南市大東町須賀260

八重垣神社(松江市佐草町)
櫛名田比売が奉られる神社。
良縁を占う「鏡の池」が人気のスポットとなっている。また、宝物収蔵庫には櫛名田比売の壁画が残され国の重要文化財に指定されている。
【住所】松江市佐草町227
【TEL】0852−21−1148


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編集/(社)松江観光協会玉造温泉支部 監修/NPO法人 出雲学研究所 理事長 藤岡 大拙 イラスト/渡部祥子 発行/まつえ南商工会
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